暁は俺の腕を掴むと迷うことなく学校の裏手にある『森』へと向かった。

佐々木の居場所を天使が教えてくれていると暁が言った時は信じられない気持ちだったか迷いなく歩く暁とその先に佐々木の姿を見つけたときは、さすがに信じるしかないと思った。

暁に不思議な力があることはもう疑う余地がない。

だったら、この先何があっても何を見ても驚かないと、この時俺は決めた。

あるがまま見たままを受け入れてやる。俺を認めて受け入れてくれた暁を今度は俺が丸ごと受け入れてやるよ。

佐々木が森に入るのを見て何かを企むようにフッと笑みをこぼす暁に、ゾワッと背筋が寒くなる。

何なんだよ、この変わり方。まるで別人だって。

こいつはもしかして二重人格なのか?

天使の力っつーのが無くなったら悪魔になる

…なんて漫画みたいな事ねぇだろうな?