5月

雨がザーザーと降りしきる夕方

ビニール傘を差した彼女は人気の無い空き地の入り口で足を止める

目下、視線を下げた先にダンボール。


『僕を拾って』


そう書かれたダンボールをそっと覗くと

そこには赤い瞳がギラギラと光る真っ白なウサギがいた