〜雅人side〜
心愛の楽屋で明日のスケジュール確認をしていると、心愛が複雑そうな顔して帰ってきた。
「あいつから聞いた?」
そう俺がきくと、心愛はゆっくり小さく頷く。
「なんとなく…しっくりきました」
「?」
「前…涼太くんが橘さんのことで何か聞きたそうにしてたんです…
それに夏南もどっかで見たことあるって言ってたし……」
「俺…引退してから心愛に会うまで芸能界嫌いだったんだ」
「えっ……?」
「最近だよ…芸能界好きになったの」
「橘さん……なんで辞めちゃったんですか?」
なんでお前が悲しそうな顔すんだよ…
俺は心愛の頭を撫でると、軽く引き寄せる。
「ちょっと長くなるけどいい?」