大和side

昼休み。

いつものように友達とメシを食ってると、心なしか廊下が少し騒がしい気がした。


「大和ー、蓮ー」


気だるそうな声が聞こえてきて、俺はすぐに誰か分かった。


「蓮、呼ばれてんぞ」

「大和だって」


女子達があの人を見て騒いでいる。

カッコイイだの、こっち見ただの。

幸せだね、お前ら。


「早く来いよ、お前ら」

「……だってさ、蓮」

「大和、行ってやれよ」

「……早く来いっつってんのが聞こえねぇのか?
……あぁ?」

「「……今行きます」」


ドスの利いた恐ろしい声に俺達は同時に立ち上がった。

だってあの人怖いんだもん。

怒らせると怖いんだもん。