大和side

―中学三年・春―

先輩達が引退した中二の夏。

俺は部長に指名された。

先輩が卒業する前まではちょくちょく顔を出してくれていたが、卒業したらそうもいかない。

部長。

たった二文字に大きな責任がのし掛かる。


「大和!おはよ!」


だけど、栞奈はいつだって笑顔でそばにいてくれた。

……だから、大丈夫だと思ってた。


……でも、そんなに甘いものではなかった。