「文化祭の日に図書委員会で古本市をします。教科書、辞典、参考書、実用書以外ならなんでもいいので持ってきてください」
一組の図書委員がそう報告してきたのを聞きながら、高津も言っていたなー。と思い出す。
ま、図書委員だから当たり前なのだが。
というわけで、津高祭準備期間に入った。これから授業が短くなるのが嬉しい。
けど、午後からは準備をする。
今日は昼から書道部の召集がかかっていたな。

「書道部は今年の津高祭もステージ発表として、書道パフォーマンスをします」
女子部長の領家先輩がホワイトボードを持ってきながら言った。
「で、うちは毎年大河の曲に合わせて書くのが伝統なのね。その曲を今年は吹奏楽がやってくれることになりました!」
CD代削減。と、ホワイトボートに書く。

「なんでまた?今まで自分達の練習で忙しいからって引き受けてくれなかったのに」
二年生の田辺さん。
「体育祭のときに鼓笛やってたでしょ。文化祭の演奏の場は無しって生徒会からお達しが来たらしい」
「生徒会、鬼だ」
「それで、吹奏楽の部長に提案したら、手を握ってOKを貰いました!」
手を握っているところを描いた後、握る。握る。握ると何回か書き、握るってなんで握るっていうんだっけ?と小さく書いた。
何を一人でゲシュタルト崩壊なってんだ!