二学期は一年間で一番盛り上がる行事が行われる。学園祭だ。

実は学園祭第一弾の体育祭は春の暖かい気候のうちにやってしまった。
なかなか大変だった。二クラスしかない少人数の学校とはいえ、入学して一ヶ月そこらでは学年は愚かクラスの生徒全員の名前を覚えられない。
まだどういう子なのか分かっていない時期に一致団結なんて出来ないと思っていた。
今思えば、うちの高校の体育祭は新しいクラスメイトとの友好を深めるのを目的としているのかもしれない。

というわけで、学園祭第二段、文化祭が始まろうとしている。
「図書委員は何かするのか?」
いつものようにソファーにうつ伏せで寝転がっている高津に聞いてみた。
「ってか、今日はカウンターの当番だろ?仕事しろよ」
「人が来たらねー」
仰向けになった。自分の家のようにくつろいでやがる。
「津高祭、出し物するのか?」
ちなみに、うちは学園祭を津高祭と呼称する。
「あー。するよ。する」
「何するんだ?」
「古本市って言ってた」
「お。面白そうだな」
さて。いいのが売られるかな?
「書道部は?」
「なんか、ステージ発表でデカイの書くらしい」
「そりゃあ見んといけんね。君が滑って転ぶところを」
「縁起でもない」
とりあえず、津高祭は俺も高津も暇ではないらしい。
まぁ、この話はまた今度。