オレは行き詰まっていた。



正直、何をやっていいのか、もう分からない。



ハルは相変わらずで、何とか、申し開きをしようにも、少しでも雰囲気を良くして、告白しようにも、まるでとりつく島がない。



兄貴の声が、頭の中で鳴り響く。




「そりゃ、お前、他に好きな男ができたんだろ?」




いや、違う!!

絶対に、そんなはずはない!!



だけど、一縷の望みをかけて確認した、羽鳥先輩なる人物は、やはり男だった。

しかも、学年でも万年トップの秀才で、

次期生徒会長じゃないかとも言われてるらしい。



ああ、もうっ!!



昼休み、弁当を食べ終わったハルは、図書館へ行った。



当然、オレは置いて行かれた。

これを「当然」と言わなきゃならないのが、心底、情けない。



羽鳥先輩と会うのは決まって図書館だと言うから(志穂情報だ)、オレは女々しいと思いつつも、図書館へと向かう。



宿題でもない限り、本など借りたことないのに……。