空。

青い空。

どこまでも澄んだ青い空。



その青い空の向こうに、二匹の白い鳥が見えた。



くっついたり、離れたりしながら飛ぶ鳥たちは、少しずつ小さくなって、そうして、見えなくなった。



恋人同士なのかな。

なんとなく、そう考えたら、急に悲しくなってきた。



思い出すのは、大好きな幼なじみの男の子、カナの笑顔。

その笑顔を思い浮かべただけで、何だか心がほっこりした。



……好き、

好きだったんだ、わたし、カナのこと。



ポロリ、と涙がこぼれ落ちた。



でも、離れなきゃ、カナから。

もう、わたしから、解放してあげなくちゃ。



優しい、優しいカナ。

その広い胸も、大きな手も、わたしが独り占めしていたら、いけないんだ。



脳裏に浮かぶのは、同級生の女の子に言われた言葉。