あの日から、数日。
あたしは男バスの人たちとだいぶ話せるようになって、同じクラスの春部くんと日向くんは、自然と名前で呼べるようにも。
だけど、バスケ部は予選が近いらしく、以前よりずっと忙しくなって。
だからか、翼くんはあんまり美術室に来なくなった。
放課後、今日は美術部はお休み。
それでも、あたしは描き途中の絵を描きに美術室へと向かった。
本当は……ちょっと、期待してて。
翼くんが……来るんじゃないかって。
美術室に入り、いつもの席に座る。
絵を描いていても、思わず視線がドアの方にいってしまう。
「いけない……集中、集中」
そう唱えても、体育館の方から聞こえてくるバスケ部の人たちの声に、思わず耳が傾いてしまう。