美利亜は家のそばで立ち尽くしていた。


何か旗を持って、家の前に座り込みをしている連中がいた。


―家に入れないし、邪魔だし、どうしよう。―


とりあえず、愛梨栖に助けを求めたが、家の場所を教えてないことにさっき気付いた。


―しょうがない。行ってみるしかないよね…。―


はぁとため息をついてから美利亜は家の前まで行った。


すると


「来た!」


誰かの一言で座り込みをしていた人たちが一斉に美利亜を見た。


「あのー、邪魔なんですけど。」


「何を言ってるのかさっぱりわかりませーん。」


バカにしたような声が返ってきた。


美利亜は怒りを堪えながら、さっきよりも大きな声で


「邪魔なんですけど。退いてくれませんか?」


「何語しゃべってんの?英語?フランス語?あっ!もしかして宇宙語?」


今度はさっきと違う声が返ってきた。


「ちゃんと日本語しゃべってー。」


「宇宙人だから日本語がわからないのよ。」


その一言で一斉に笑い始めた。


美利亜はキレそうになりながら


「うるさいんですけど。しかも邪魔。退いて。」


「なんだって?聞こえなーい。」


美利亜は声を張り上げて


「耳、悪いんじゃなくて?」