美利亜が気がついたのは文化祭開始5分前だった。


「美利亜、大丈夫?」


「んー、なんとか。」


美利亜は伸びをしながら言った。


「さて、行きますか。」


「誰かさんのせいで店、ほったらかしだったしな。」


龍は嫌味っぽく言った。


「はいはい、すみませんでした。」


美利亜は八つ当たり気味に言うと


「でも、今回はうちだけじゃないし。だいたい、龍が変態なのが悪いの。」


そう言って龍を指差した。


「あ゛?さっさと着替えないお前が悪いの間違いだろ。」


「はぁ?どこに嫌がる女子の服、脱がせる奴がいるの?」


美利亜は早口に言うと


「龍なんて大っ嫌い。」


足早に立ち去った。


「あ~あ、俺知らないよ。」