‐1996年 春‐
「1-6担任の堀です!ヨロシク」

莉亜は窓側の一番後ろの席から

ボーッと外を眺めていた。
莉亜はこの春志望校を受験し
今日は東高の入学式だった
ボサボサ頭で黒縁メガネをかけた
担任が自己紹介をしていた
そんな担任の声がすごく遠くの
方でかすかに聞こえる。

東高には大好きなバレーをやり
たいのと、看護科があるから
ずっと目標にしてきた。

けどどっちも叶えられずに東高に
入学したって全く意味のないこと

希望と期待をもって入学してきた
周りのクラスメイトがなんだか
すごく羨ましい感じがした

莉亜は頭の中でこの先の事を
ずっと考えていた。

親には高校も諦めてほしいと
言われたが幸い公立に入学できた
から授業料は自分で稼ぐと言い
切って入学を許してもらった。


けど・・・。正直まだ中学を卒業
したばかりで世間の事もろくに
知らない自分が本当にやって
いけるのか?莉亜は不安で胸が
はりさけそうだった。



「じゃあこれからよろしくなっ
今日はこれで解散」

明日から莉亜の高校生活が始まる