育海を失ってから1ヶ月が経った


莉亜はいつものように仕事にバイトに忙しい日々を送っていた。


何も変わらない生活。


それがフッとした瞬間や夜一人になった時に地獄に突き落とされたように悲しくなる。


頑張って生きるって決めたのに
苦しくて涙がでてしまう。

しっかりしないとって思えば思うほどただ強がるだけで自分の弱さに気づくと涙が溢れている。


育海と頑張るって約束したから
今をしっかり生きなきゃいけないのがわかってる。


だけどあの子はもうお腹にいない


仕事中、妊婦や小さな赤ちゃんを連れた母親の幸せな顔をみるたび胸が締め付けられる


羨ましいなって思う。


いつまでもくよくよしていちゃいけないのに。



そんな莉亜をかずちゃんはよく理解してくれていた。

莉亜が一人で淋しいからといって莉亜にゴールデンレトリバーの子犬のぬいぐるみを買ってきてくれた。


すごく優しくて可愛い目をしている。


淋しいから育海が側にいるつもりになって子犬のぬいぐるみを抱き締める。


布団に入ったら必ず抱き締めて一緒に眠りにつく。


それだけでも心が凄く落ち着いた