莉亜はあの日大塚さんと一緒に見た海が忘れられなかった。


彼の素直な生き方を尊敬する。


いつものように仕事からバイトに向かう。

女性ばかりを相手に仕事をしている自分と男性ばかりを接客するのとは気持ちのリセットが本当に大変だった。


莉亜の仕事の担当のお店が変わった為に仕事先とバイト先の距離は時間にして5分ぐらいだった。
その間に気持ちをリセットするのは精神的にも大変だった。


「今日は団体の予約があるから頑張ってよ!」

とマネージャーが莉亜の背中をポンと叩く。


莉亜はハイハイと言う感じに手を挙げた。

“いらっしゃいませっ”

ゾロゾロとスーツ姿の団体客が10人程入ってきた。

「あらあら来ちゃったねぇ」

カオも莉亜も着替えてすぐに来たので一服する暇もなく席に呼ばれた。

マネージャーに順番に座らされた

『はじめまして・・・・あれ?』

大塚さんだった。

薄暗い照明で莉亜はまったく気付かずたまたま横に座った。

大塚さんも凄くびっくりした顔で莉亜を見上げた。

「偶然だね!今日はちょっと早いけど会社の忘年会で、その二次会なんだよ・・・」

『そうですか・・・』