[澪]
「はぁ…。」
…疲れた。
兎に角、疲れた。
今日は夜の巡察中に
浪士との斬り合いがあった。
お陰様で
浅葱色のはずの羽織が
赤黒い血で染まっていた。
ようやく
夜の長い巡察を終えて
屯所の門をくぐると…
そこには原田が立っていた。
[原田]
「お、澪じゃねぇか。
どうしたんだよ、その羽織。」
[澪]
「左之さん。
今日の巡察中に
浪士と斬り合いになって…。」
[原田]
「あー、なるほどな。
最近動きが出てきてるからな、
長州の奴ら。」
[澪]
「えぇ、そうね…。」
実際、本当に
最近は巡察中に斬り合うことが
増えてきている。
この前は
うちの組の隊士が1人
大怪我を負った。
…まぁ命に別状もなく
このまま養生していれば
またすぐに
刀を握ることもできるそうだ。
[澪]
「…そういえば、
左之さんはなんでここにいるわけ?」
[原田]
「ん?
あー、新八と平助とで
島原に行くんだが…
お前も行くか?」