「お前は雑用だ」
紗和を生徒会室に連れてきたのはこのためだった。
一度は反抗した紗和だけど、無理やりやらせた。
……いつでも俺の傍に置いときたいから。
なのに、桜太は早速ナンパ。
なんとか冷静を保って二人の間に入った。
桜太と二人きりにするのはやめておこう。
でも、桜太がきっかけで紗和はすぐに輪に溶け込んだみたいだった。
……よかった。
そして俺が立ち上がると、隼人がさりげなく寄ってきて、
「廉、あれがりんご飴の?」
と耳元でこそっと聞いてきた。
「そうだ」
俺は“あのこと”を生徒会の仲間には言っていた。
その中でも、こいつは信頼できる奴。