「なに、を……」



こいつを好きになるなんて、ありえない。


でも、この瞳に吸い込まれそうで怖い。



「ま、お前の親父さん次第だ」


「お父さん次第……それまでこんな男と!?」



小声でつぶやいたのが、聞こえてしまっていたらしい。



「廉だ」


「は?」


「俺の名前は“こんな男”じゃねぇ」



というと……



「廉って呼べ」


「は……?」


「呼ばなかったらこの契約はなしだ」


「そんなこと……」