春、私は今日から高校一年生。待ちに待った、高校生活。私は高校で全てを変えると決めたのだっ!



中学までの私は、なんとまぁ…存在の薄い子でしたわ。先生ですら、私の事を忘れる。見た目からして地味子ちゃんだったからってのもあるが…、友達も居なくていっつも一人ぽっち…。中学の私、可哀相。



だから私は、今日から始まる高校生活第一日目から気合いを入れたよ。



眼鏡を外し、コンタクトに。髪も少しだけ色を入れた。染まりにくく大変だったよ…。女子高生らしく、制服の着こなしっ!



よしっ、完璧。



今流行りの雑誌で研究に研究を重ねたのだからね。



ぐふふ。



あっ、申し遅れました。私は【佐藤チサ】です。



えっ…名前からして地味だって?



黙らっしゃいっ!



さて、私は今高校生活の第一歩を踏み込みまー…グフッ!!



「………。」

『………。』



今何が起きたかご説明致します。私が校門を第一歩歩きだそうとした時、後頭部に強い衝撃を受け一歩所が五歩進んじゃいました。



そう、後頭部に衝撃受けたせいで。それで何が起きたのか分からず、頭を摩ってたら視線を感じたのです。そこには、パツキンの男子生徒が私の事をじーっと見ていたのです。そしてスクール鞄を肩に乗せていました。私は勘がいいので分かっちゃいました。あの鞄が私の後頭部に当たったんだと。



もう一度言います!あの鞄が私の後頭部に当たったんだと。



「………ハッ!」



ムカチーン!!今聞きましたか、奥さん。謝ってくれるのかな?なんて思ってたら、鼻で笑われました。おまけに歩き出しました。ちょっ…何この子。謝る事を知らないのかしら?親の顔を見たいわ…。うん、私大人だから~。心広いし、気にしな「ハッ…。」


『上等じゃねーか!潰すっ!』

「あぁ?」

『えっ…あ…すみません…。』



弱っ!私弱すぎるっ。もう、この高校生活で変わるって決めたのに…まだ地味さな私が残ってるわ。うん、いいのよ。これから一つずつ頑張ればいいのよ。



自分で自分を応援するしかない、可哀相な私。



はぁ…。



ため息がでちゃうわ。とりあえず、私は目線を前に向けた。そういやさっきのぶつかってきたパツキン野郎は、既に居なくなっていた。



よかった…。