「とりあえず明日、幹部諸君に紹介するとしよう。

総司、非番なら身の周りの整理を手伝ってやれ」


近藤が言うと、沖田はしぶしぶうなずいた。


「寝起きはどこでさせますか」


「ううむ……そうだな……」


「ここでいいだろう。

予備の布団もあるし、中から施錠もできる」


土方が助言する。


「じゃあ、あとは任せた。
なにかあったら、沖田に頼め」


「ちょっ……土方さん!」


「俺たちは暇じゃないんだよ」


沖田に丸投げした土方は、近藤の背を押して蔵から出て行ってしまった。


「ちっ……」


沖田は忌々しげに舌打ちをする。


そして、その刃物の先のような目で、あたしを見た。


「お前……とにかく考え直せ」


「はいっ?」


「正式に入隊する前に、ここを出て行けと言っている」


沖田はそう吐き捨てる。