何とかクビを免れたものの、その後も高砂さんの私への当たりはきつかった

今日も朝からやって来ては、やれコーヒーの入れ方が雑だのなんだのって

そして今は今で

「星田さん、ここまだホコリ」

と窓ガラスのサンに人差し指を這わせて私に見せる

うっ悔しいが確かに汚れている

「先生に気持ち良くお仕事をしていただく為にもまずは気持ちの良い環境作りを、解りますか?」

「はぁーい」

「返事は短くはいと言う」

「はいっ!」

これじゃぁ、まるで軍隊だよ

「何か言いましたか?」

「いえ、滅相もない」

この人、絶対心読めるよね

そうだ

この冷酷さといい

無表情といい

きっとサイボーグだ

絶対に人間じゃないよ

私は指摘された箇所を丁寧に拭きながら一人納得していた