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「そういえばさ、結菜、なんで別れたの?」

「えええ、今更すぎてびっくりなんだけど。今?今それ聞く?」

「今気になった」




休憩時間になれば、教室の中は四方八方で談話の声が響く。

それは無論、私と結菜も含まれるのだと思う。


現に、後ろの席である結菜を振り返って、私は彼女に話しかけたから。





「なんていうか、相性の問題なわけだよ。うん。浮気とかじゃないから安心して別れました」

「結菜、別れたら安心もなにも無い気がする」

「いや、安心感って重要だと思うの。うん、重要だよね」

「…そうですね」





苦笑した私に、「相性ってあるじゃん。やっぱりさ」結菜はどこか寂しげに呟いた。