―――――… 確かに、好きだった。 自分には彼しかいないと思ったし、 彼にとっては、周りの誰よりも自分だけだと勝手に解釈していた。 *** 「友梨」 あれは多分、中二の梅雨頃だった気がする。 自分を呼ぶ声が耳に届いた。それに振り返れば、視界に入る彼はうっすらと笑っていた。 「隼人」 「テストぼろぼろだったらしいな」 「は。誰から聞いたんですか」 「誰だと思う?」