「話はついたかのぉ?」

絹糸が、しっぽをゆらゆらと動かしてこちらを見ている。

あたしは目に浮かんだ涙を指でふきながら、笑って返事をした。


「うんっ。あたし、帰るよ!」


門川君も面白くもなさそうな声で答える。


「あぁ、しま子が落ち着き次第、帰るぞ」

「やれやれ。まったく人間というものは面白い生き物じゃな」

「面白い?・・・冗談じゃない」


門川君がジロリと冷たい目で絹糸を見る。


「帰った後の事を考えると頭が痛いよ」

「大騒ぎになりそうじゃの」

「無許可で入ったうえ、ここのモノ達を滅してしまったからな」



・・・・・うあぁぁっ!!!


そういえばあの異形のモノ達の正体って!

みんな門川の人達なんだったーっ!!


どどどどーしよ―――――っ!!!

あ、あたし、門川の人達を殺しちゃったって事になるの!?



「まぁ、そういう事になるのぉ」


ぎゃ――――っ!?

それって、ものすごく非常事態じゃない!!?