「さてと、何から話せばよいかのぉ」


絹糸、あたし、しま子。

並んで腰掛けながら、あたしは絹糸の言葉を待つ。

しっぽをゆらりゆらりと動かしながら、絹糸がぽつぽつと言葉を続け始めた。



門川一族。

連綿と続く、神と呼ばれる一族。


その個々の能力値の高さ。

規模の圧倒的大きさ。

組織力の強固さ。

膨大な歴史の長さ。


そして格式の高さにおいて、並ぶ物のない別格の一族。


「どう言えば伝わるかのぉ」

「つまり超一流セレブって事でしょ?」

「もはや王家じゃな」

「うえっ! 王家!? 王族なのっ!?」

「まぁ、その感覚が一番近いじゃろうて」



そして、その一族を率いて守り続けてきた・・・

代々の、当主。

門川一族の頂点に君臨する、たったひとつの座。