ぜえっ、ぜえっ、ぜえっ・・・!!

あ~~疲れたっ! しんどいわぁ!

なんとか逃げ切れた・・・? 


しっかし・・・

息が切れるほど長距離を走れる屋敷って、すごい。



あたしは後ろを振り返り、様子を伺った。

うんっ、大丈夫みたいね。

追いかけて来てないみたい。



ふひぃ~っと息をついて、ようやくその場に立ち止まった。

門川君もしま子も一緒に立ち止まる。



「小娘・・・まったくお前は・・・」

後ろをトコトコとついて来た絹糸が、笑いを堪えた声で話しかけてきた。


「なに?」

「欲しい時に、必ず欲しい球を投げるリリーフみたいなヤツじゃのう」

「なにそれ?」


あたし、野球って全然わかんないのよ。

あ、サッカーだっけ? りりーふって。


「絹糸、あたしより詳しいじゃん。スゴイ」

「まあ、無駄に長く生きておるからの」

「あー、それにしてもノド渇いたっ」