「やーまーだーくーーーんっっ!!」




先生の『廊下走るな!』なーんて声は聞こえません!!


あたしは今、恋の全力疾走中ですから!



段々と近付いて来る大好きな背中。

スピードMAXでその背中に………




「山田くーん!!」


「………」




―――抱き付けませんでした!!



「ブフッ!」



スカッと交わされた体は、勢いそのまま止まれません。見事、転んじゃいました!




「いっ…たぁ~…」



なんて痛がってる場合ではなかった!山田くん!


急いで立ち上がりまた走ります!