待って…どうしよう!

私、この15年間、思い返してみればろくに恋愛してなかったわ。

そんな私に…彼氏作れとかいじめだろ~!!

ふつうそんな学校あるか?

むきゃあ~!!

「おい如月。」

あ、聖。

「なんか用?」

「…はあ。さっきから20回も名前呼んだのに聞いてないのかよ。」

20回もっ!?

「ごめんなさい。」

「いや、いいけどよ。それで…。」

なんか知らないけど顔を真っ赤にしてる。

「俺の彼女になれ!!」

え!?なに!?こいつ俺様!?

「いや…そのっ!!お前がかれひにょことできょまっ…」

「待って。何言ってるか全然分かんない…。」

「〝お前が彼氏のことで困ってそうだったから…〟だよね、聖。」

聖は黙ってこくこくとうなづいた。

「あのう…誰?」

その人はすごいショックを受けて言った。

「沢井裕也。君の後ろの席。」

ああ!!

「読書タイムに人間失格読んでた人!!」

「お前へんなとこ覚えてんな…。」

「私、太宰治、大好きなの~!」

聖は?をいっぱい浮かべていた。

ついてこれないみたいだから会話をストップしよう。

「ところでさ…。」

聖が口をひらいた。

「付き合う?付き合わない?」

すっかり忘れてた!!

「そりゃもちろんつきあ…「僕でも」

え…。沢井君が言った。

「僕でもいいよ、如月さん。」

これは困る。すごい困る。

告白(?)されるのは嬉しいけど…。

「何言ってんの?」

聖が鬼の形相をしていた。

「こいつは俺のだ!!」