土方の部屋を出て歩いていると、新見にばったり会った。


「丁度いい。松林、芹沢さんがお呼びだ」

「………」


スタスタと歩く新見の後ろを、黙ってついて行く。


暫く歩き、一つの部屋に入った。

中には、酒を飲んでいる芹沢がいた。


片手に酒、片手に鉄扇を持って、堂々と座っている。


「おう、松林。お前も飲むか?」

「いえ…。私はいいです」

「…そうか。まぁいい。座れ」


芹沢の前に座った。

気まずい空気が流れる。


芹沢は、のんびりと酒を飲みながら、私を見ていた。