女神と人間が愛し合い

可愛い男の子が
産まれました

女神は喜びました

そして息子に

ハンズと名付けました
人間と神を繋ぐ
手になるように
ハンズと名付けました

でも 他の神々は
ハンズを認めては
くれませんでした

半分人間 半分神
そんなハンズを
誰も受け入れてはくれませんでした

それどころか
神々はハンズを
殺してしまえと
言いました

なんの能力も役割も
持たない神など必要ない

だから殺せと言いました

神は死にません
でも半分人間のハンズは普通の人より寿命が長いだけで

いつか死ぬからです

だから殺せと言いました

女神はハンズを抱いて泣きました

こんなに可愛いのに
こんなに純粋なのに

死ぬ理由など
ないのに

そこに1人の神が現れました

そして女神に
こう言いました

人間の世界に
逃がしなさい

女神は泣く泣く
ハンズを手放しました
そしてその神は
少しでもハンズが
苦労しないようにと
ハンズから
感情を抜き取り

そっと人間界に
送りました

まだまだハンズは
赤子でした

でも全て
はっきりわかりました
感情がなくなる中

母親である女神に

女神にも
誰にも聞こえなかったけれど

ハンズは

『さようなら』

と言いました