【佳那side 】


―――ピーンポーン…


インターホンの音が鳴り響く。

一体こんな時間に誰だろう…。


「はーいっ。」


私はドアを開けた。すると…


「あれ…?月くん!!」


「こんな時間にごめん。
どうしても今日渡したいものがあって…。」


「本当!あっそうだ!今、クリスマスケーキ、用意してたとこなんだ。月くんも一緒にどう?」


私はにっこり月くんに微笑んだ。


「えっ!!でも迷惑じゃ…。」


月くんは少し私とお母さんに対して

遠慮してるみたい……。


でも、私とお母さんにとっては…


「迷惑じゃない!お母さんも月くんが来てくれたら喜ぶよ。お父さん…お仕事が忙しくてなかなか戻ってこれないから2人で寂しかったの…」


こんな気持ちでいっぱいなんだ。


結大兄が時々遊びに来てくれるけど

やっぱ家族が揃わないと寂しくって……。


「そっかぁ…ごめん。」


「ちがうよ!謝らないで。月くん!」


「うっ…うん。じゃ、お邪魔します。」


こうして月くんも一緒にクリスマス

ケーキを食べる事になりました。


「お母さん。月くん来てくれたよ♪」


「本当?良かったわ。2人じゃ、このケーキは食べきれないし月くんがいたら楽しいわね!!」


佳那のお母さんが小さく微笑んだ。


「え…?そうですか~?」


月くんが不思議そうに言う。