ラルフが少し緊張した様子で言う。

「手分けして探すのか?」
「いいや」

ラルフが胸を撫で下ろす。
「相手は古龍だ団体で行動する」


3人は森に足を踏み入れた。
森は鎮まりかえり鳥の囀ずりが少し聞こえる程度だ。
もう探し初めてから2時間は経過したと言うのに龍は一向に現れない。

「ジークちょっと休まない」

私は疲れて兄に提案する。
「そうだな」

「サアァァァァ…」

丁度近くに川があった。いや川というより川の源流だろう。

ラルフは荷物を放り源流で顔を洗う。

ジークは源流の水をすくってのみ始めた。

私は岩にもたれかかり息を整えた。

「アラン、ラルフ大丈夫か?」

「全然へいきだぜ」

ラルフがみえをはる。私も疲労していたかおそらくジークも疲労しているだらう。

「この水、源流に近いのにあったけえな…」

ラルフがポツリと呟く。
(!!!!)

ジークが叫ぶ。

「川から離れろ!!」

それと同時に川の水が沸騰した。

「来た!!」

「ドガァァァン」

岩が砕け水が飛び散る。
「ゴオォォォ!!」

蒼い身体に紅蓮の炎を纏い龍は現れた。

私達はそこから離れながら体勢を立て直す。

「テオテスカトルだ!!!」
ラルフが恐れたようにいうジークが言う。

「いいや妃炎龍…ナナ・テスカトルだ」

ラルフはどうでもいいというような顔でナナテスカトルを見る。

「おもしれぇ!!」

ラルフのブランゴ装備は火に弱い。

「うおぉぉ!!」

そんなことおかまいなしにラルフが突っ込む。

ジークが大剣の柄に手を回しながら指示する。

「ラルフむやみに突っ込むな!」

しかしラルフのランスは止まらない。

「バシィッ!!」

ナナテスは尾で軽くランスを退けた。

ナナテスの目が私を向き突撃してきた。

私は何度も狩をしてきたが古龍と戦うのは初めてだ。
(この距離よけれる)

「アラン、ナナテスは速い気を付けろ!!」

「速い!?」

「ドカァン」

私の体に激しい衝撃が走っり体が宙をまった。

「ズザアァ」

「ぐはあっ!!」

(なんて攻撃だ、一撃で体が悲鳴をあげてる…これが古龍)

私は攻撃の危機感が強くなった。

太刀を抜き前を見る。
(!!)
目の前が白くなった…。

「ゴオォォォォォォ」

「アラン!!!!」

アランはナナテスの業火に呑み込まれた。

ジークは大剣でナナテスの横っ腹に斬り込む。

「ガキィッ」

(固いか…)

ナナテスがジークを豪腕で弾き飛ばす。

ジークが地面を転がる。
ナナテスがジークにまたも飛びかかる。

「ドカァッ」

ジークが大剣の腹で防ぐ。
ナナテスが尾をジークに向けてふりおろす。

ジークはそれを大剣で受け反動で後に下がる。

ナナテスが豪腕でジークを薙ぎ倒そうと横に奮る。
(ここだ!!)