「ガシャガシャ」
荷馬車をひきながら若い狩人が山道を下っていた。ジークとアランだ。あの龍との出会いから三年が過ぎた二人は街を出て狩人になった必要なものは自分たちでもぎ取って生きてきた。三年間狩りにあけくれもう一流の狩人になっていた。ジークは海竜ラギアクルスの素材をふんだんに使った装備だった。アランは火竜リオレウスの素材を使った装備だ。二人とも立派な装備だった。二人が居座る街は海の街シーランド。漁業が盛んで料理屋は魚がメインだ。

「親父ィ!親父ィィ!居るかァ」
魚屋の扉を叩く男。「ガチャン」
中から日に焼けたいかにも海の男だと感じさせる男が出てきた。
「おぉ!!」
「今日もまた大物だなぁ」 「だろ!!」
魚屋が顔をしかめる… 「うぅ…だけどうちの店はロアドロフは扱っちゃいねぇんだよな…」
ロアドロフの男が親父に反論する。
「何でだよ!ロアドロフだって食えるとこいっぱいあるぜ!例えば…脇腹のとことか……えぇと…襟巻きのとことか…脇腹のとことか…」
「まあうちの店じゃちょっと無理だな、それによ、襟巻きなんかねえじゃねえか」
!!ロアドロフ男が驚く 「あ!狩ってる時に壊しちまったんだ」 ロアドロフ男がトボトボ荷車をひいて帰っていった。ちょうどそのとき荷馬車をひいたジークとアランが街に着いた。
「ホンマグロだ」
ジークが魚屋にホンマグロを五匹渡し報酬を受け取った。
「ありがとう!たすかるぜ」
ジークは振り返りもしなかった。二人は雑貨屋で狩りに必要なものを買い自宅に帰宅した。兄のジークとは別の家で生活をしている私だが狩りの計画などを立てる時は兄の家に行くことが多かった。今日も狩の計画を立てるために兄の家に向かった。兄の家は街の中心部にあり丘の上の私の家とは近くはなかった。
「おおぃ!!」
街の通りに差し掛かった時ロアドロフを背負った見覚えがある男に声をかけられた。
「なんか用?」
私は軽く流した。
「おお、なんか用だ!」 ロアドロフを背負った男(ラルフ・ダージリン)は顔を輝かせ言ってきた。 「お前ら古龍を探してたよな?」
「ああ」
ラルフはとっておきだといいような顔で言った。 「この近くの森で目撃情報があったんだ」
「!!!!」
私は声を言葉を失った。これまで追い求めてきた龍とまた出会えるのだ。 「何処なんだ正確な場所を教えてくれ!」
ふふん、ラルフは鼻をならした。
「教えてやるが条件がある俺を狩りに同行させることだ」
私は一瞬考えた。いつもジークと二人でずっと狩をしてきたのに突然部外者が入るのは狩の邪魔になるかもしれない。兄はそれを聞き入れるだろうか?。 「おい、どうすんだよ?」「ジークに聞かないと」 「じゃあジークの家まで行って直接聞くよ」
私はうなづいた。