俺は、古江翔という。

何か特技があるわけでも
夢があるわけでもない。

流されっぱなしのヨットのような、
気力のない男子だ。

いつもひっそりと普通に存在していた。

薄い毎日を送っていて
それを楽しんでいた。


ある日の事だ。

やりたい‼
そんな気持ちがないから
部活に入ってる訳がなくてまだまだ明るい道を帰宅していた。

家の近くまできたところで
母さんがお隣さんとうわさばなしをしてた。

「近くに新しいいえがたつみたいよ」

「かなりのお金持ちって井上さんがいってたわ」

「家、すんごいもんねぇ」

「お中元とかいいものくれたりして」

「何いってんの~。あははー」

それはいいかもしれない…


家に着くと
宿題をおわらせてゲームをひたすらした。

外を眺めていたら引越しのトラックが4台くらいとおった。
俺の好奇心が久しぶりにすこし揺れた。

ご飯ができて
風呂に入り
寝るかとおもって電気を消した。

まちが月明かりでほんのり明るい。

近くに俺とおなじくらいの少女がいた。