『入って』 「お、お邪魔します…」 玄関を開けると、パタパタとスリッパと床の擦れる音がする。 「ゆぅく、おかぇいー」 『ただいま』 ニコッと笑って由良を抱き上げる。 由良はきゃっきゃ言って笑う。 そんな中、俺の斜め後ろに視線を向け、青ざめる。 「ぃ゛、」 『ぃ゛って…』 「おかぁさぁぁん」 泣き叫び出した由良。 來未は、自分を見て青ざめられたのを少し気にしているのか俯いて居る。