はぁ…


何度めのため息だろ


夕べ、悪魔と契約した私は
今朝から早速、恋人同士として柊さんと出社する


そこまでする必要あるのかなぁ


柊さんは恋人同士なら当たり前だっていうんだけど…


という訳で私は今、自分ちのマンションの下で柊さんの車が来るのを待っている


あれから簡単に打ち合わせしたんだけど


これさ、絶対バレると思う


あり得ないよ


偽装カップルって


怪しいじゃん


まっいーや


バレたらバレたで
私には関係ないしね


一層の事、早くバレればいいのに…


そんな事を考えているとスーッと上品な高級車が止まった


助手席側の窓が開いたから覗き込むと


「おはよう、有。乗って」


ってめちゃくちゃエンジェルスマイルで言われた


だ、ダメだ…
このスマイル見ると、やっぱり流されちゃうよね


それに、有って…


「お、おはようございます…」


突然のスマイルと名前を呼び捨てにされたことにかなり動揺しながら何とか助手席に座る


私の心臓が車内に響きそうなくらいドキドキいってる


あぁ、色んな意味で早くバレないかな…


でないと、こんなん続けてると心臓どうにかなって早死にしそうだよ


とか考えているうちにあっという間に会社に着いた