〈1〉

 自分が欠陥人間だということは重々承知ではあるけれど。
 最低、一日に一度。
 それを、再認識することができる。

 そう、朝を迎えるたび。

 時々。
 どうして、私は生まれたんだろう。
 どうして、生きなきゃいけないんだろう。
 そんな風に、思ってしまうことすらある。


 目を開けて。
 体を起こして。
 顔を洗い、髪を洗い、体を洗い、歯を磨き。

 目も欠陥品だから、コンタクトレンズを装着しないといけないし。

 髪も無駄に長いから、天然のストレートに若干救われつつも、最低でも半乾き程度までにはもっていかないといけないし。

 女だから、社会人だから、化粧もしないといけないし。

 大人だから、制服に着替えて、仕事をしに会社に向かわなきゃいけない。