「…花火、すごい迫力だったな。」


「うん、とっても綺麗だったね…!」


たくさんの歓声で盛り上がった花火大会も、あっという間に終わりを迎えた。


絶え間なく打ち上がる花火は、夜空を華麗に彩り続けて、夢のような時間だった。


こんなに見応えのある花火大会、久しぶり…。


日向君と一緒に見ることも出来たし、今日は…ここに来て本当に良かったぁ…。


充実感に浸っていると、日向君が私の顔を覗き込んできた。



「椎名、俺たちも帰ろうか…!家まで送って行くよ。」


「………っ!?」


かなりの至近距離。


ニコッと微笑む日向君に、心臓が暴れだす。


ち、近過ぎる…!


体中の熱が顔に集まってきているかのように感じた。


「椎名、どうした…?なんか、固まってるけど…大丈夫?」


日向君に真っ直ぐ見つめられ、鼓動が加速する私。


慌ててコクコクと首を縦に振った。