ポケットの中で短く震えるケータイ。 パソコンのキーボードから手を離してケータイを見ると、そこにはもう見慣れた短い文章。 ―――――――――― 受信:柴山 恵介 件名:無題 本文: 20時 ―――――――――― 素早く文字を打ち込んで ぱちん、とケータイを閉じた。 溜め息をついてみても変わらない。 私達の関係は単純。 欲求を満たすだけの関係。 だけどそんな簡単な関係が、 難しくなってきた。