あり得ない、あり得ない、あり得ない~~~!!!!





 どこの親が、まだ未成年である高校生の女の子に彼氏とのお泊りを勧める!?


 普通は、そこは“ダメだ”って止めるところでしょ?


 それを………。


 そりゃさ、ママは普通の親とはかけ離れているってことは、娘であるあたしが一番よくわかっていたけど………。


 だけど、だけどだよ!?


 圭くん相手に、あたしの身を一晩預けるっていうのは、あまりにも危険すぎるでしょうが~~~!!!





 そうだ!


 ママがダメなら、パパ!


 パパなら、このママの突拍子もないお願いも止めてくれる。


 パパはママとは違って、ちゃんと常識を持った人だし。





 あたしは何度かけても繋がらないママの携帯にかけることをやめ、相手先をパパへと変更することにした。


 え~っと、パパ…、パパ…、パパ…と……。


 滅多にパパに電話をかけるということがないから、アドレスからパパの名前を探していく。


「おい、どこにかけようとしてるんだ?」





 携帯にばかり意識を向けていたから、すぐ近くに圭くんが迫っていたことに全く気付かなかった………。


「うわっ!!」





 突然の圭くんの登場に、あたしは持っていた自分の携帯を驚きすぎて手を離してしまっていた。





 ゴトン…という音と共に、あたしは下へと落ちた携帯を拾おうと身をかがめる。


 だけど、あたしが携帯を拾うよりも早く、先に圭くんがあたしの携帯を拾い上げた。