『ピッチャー牧野くん、
セットポジションに入った。』



『かっ飛ばせ、宏大!!
宏大!! 宏大!! 宏大!!』


神楽高校の応援席からは
祈るような声援が飛ぶ。



『あと一球!! あと一球!!』


谷松商業のスタンドからは
あと一球コールが起こる。



『さぁ、これが最後の一球になるのか?
牧野くん、セットポジションから
第6球目を投げたぁー!!』



宏大!!


私はハッと顔を上げた。