9月。


新学期が始まってすぐ体育祭の練習が始まった。



夏休み中ほとんど外に出なかった私でも、さすがにけっこう日焼けしちゃってる。



「暑い…」


私はすでにバテ気味だ。



「汗かいたね〜。やばい…日焼け止め塗らなきゃ」


梨穂がポケットから日焼け止めを出した。



「咲も塗って…!」


梨穂のおかげで最小限の日焼けですむけど。



「そういや…咲リレーメンバーに選ばれてたね」


裕香が言った。



なんで私…



「誰よこんな嫌がらせしたの」


私が言うと、


「恨むなら三井を恨みなよ…本気で走らせた三井が悪い」


梨穗が笑いながら言った。


三井とは体育教師でかなりの熱血。



「勉強だけの青春なんてつまらんだろう!!」


これが口癖。



本気で走らせるために色々な罠を仕掛けてくる。