で、何故こうなった…。


簡単に説明すれば床が光り足場が無くなり、気付けば空中を落下していた。


俗に言う、命綱無しのバンジージャンプだ。


普通に生活していた俺達が、いきなり魔術を使える筈が無い。

眼下に見える広大な森に向かって猛スピードで近付く俺と愚弟。


しかし、木々にぶつかる直前で俺達の体はふわりと浮く。


しかも何故か周りには強すぎる風が吹き、俺達は空中で浮かんだ。

「あははは。ギリギリセーフ」


珍しくヘラヘラ笑う愚弟の顔がかなり引きつっていた。


だが、何か違和感がある。いや、物凄い事に気付いた。

「…おい愚弟、お前さ若返ってんぞ」


「あは?ばっ馬鹿兄貴もだぞ。どーなってんの?」


俺達は互いを指差し、同時にラウとレウがいる方に顔を向けたが、更なる衝撃が俺達を襲う。