その日の夜のことだった。


私のお母さんは重傷を負って病院で寝ていた。


その病室の外で、私は一人座っていた。


「奈緒ちゃんっ!」


廊下の向こうから女の人が走ってきた。


「純子お姉ちゃん・・・。」


この人は山之内純子お姉ちゃん


小さい頃からよく遊んでいた近所の1人暮らしのお姉さん。


私と飛鳥は純子お姉ちゃんのことを本物のお姉ちゃんみたいに慕っていたし、


純子お姉ちゃんも私たちのことを本物の妹のように可愛がってくれていた。