…何も、言わなくていい。 貴方と私は、奴隷と主人。 知らなくていいの。 だから、何も言わないで。 …そう、思っていたのに。 貴方が、わからない。 どうすれば良いのか、わからない。 翡翠葛はひとり、戸惑う。 貴方の優しさは、なんのため…? * 「ジェーイド。起きろー」 …エルガの、声じゃない。 日の差し方が、あのテントじゃない。 ここは………… 私は薄っすらと、瞳を開いた。 するとすぐ近くで、明るい深緑が見える。