お昼休みに直樹にメールをした。


急に気分が悪くなって、保健室へ行って休んでた事。ずっと寝てて、教科書貸せなかった事。


最後に用事があるから、今日は一緒に帰れない事。




放課後になっても直樹からの返事は来なかった。



















『羽鳥待たせてごめん。今日日直だったから。』



「平気。それより本当にいいの?勝手に教科書やるなんて言って親に怒られない?」



『ははっ。平気だよ。帰ろうか。』



私達はふたりで学校を後にした。



加藤君の家は学校から近い所にあった。



「この本屋が加藤君の家だったんだ。」



私もたまに雑誌とか買って帰った事もある。



『うん。さあ入って。』




中へ入り少し待たされる。


中から教科書を持って加藤君が戻って来た。



『はいコレ。』



紙袋に入った教科書を渡される。



「ありがとう!えっと、お父さんかお母さんかいる?お礼言いたいんだけど…。」



『気にすることないよ。今親父は出掛けてて、お袋も来客中なんだ。だから俺からちゃんと伝えとくし。』


「でも…」



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