久々の再会をしたらしい、悠と彼方。


「放して下さいよぉ。」


宮田の情けない声に、二人は掴んでいたフクヨカな手を解放した。


乃莉子は自分の頭の上で睨み合う二人を、困った顔で見上げてみる。


「もう…何なのぉ…君たちぃ…。」


ことのほか強く腕を掴まれて、宮田は掴まれた所を擦りながら、抗議の声をあげた。


「すいません店長。」


乃莉子は全く悪くないのに、咄嗟に謝ってしまう。


事無かれ主義の、乃莉子のクセみたいなものであった。