笑ってしまう。
こんな高級レストランに
たった一人でいるなんて。
しかもお金の無い人間が、贅沢なディナー。
本当に、数えたら何回目になるのだろう?
今日は、何回目のドタキャンだろう?
いつも、あっちからデートに誘って
いつもあっちがドタキャンする。
白いクロスがひかれた丸いテーブル。
その上には、豪華なフレンチフルコースが並べられている。
私のために料理された料理は、すでに皿だけになっていて。
反対側には、最初に運ばれた料理は湯気さえ立っていない。
食べられることの無い料理が次々と置かれる。
私は彼の料理に手を伸ばし、一番口に合ったデザートを口に入れた。