手のひらサイズの紺色の箱は、私自身に見覚えが無い忘れ物。



彼を見つめると、遠くを見つめながらボソリと話す。




「本当は、昨日の帰り....
無理やりでもうち連れ込んで、渡すつもりだった。


ここは、俺らにとって初めてがいっぱい詰まってる場所だから、いいかな...って」




開けた瞬間、絶句した。



手のひらサイズの箱の真ん中には、私が欲しいと思っていたダイヤの指輪。



でも欲しいなんて、一言も言ってないし、何で指輪?


私の誕生日は、まだ先だし....




「結婚して欲しい」



「へ?」



「って、昨日言うつもりだった。」




その言葉がの続きは無い。



それに過去形。


何、早々と後悔してんの自分。




別れなきゃ、結婚だったんだ.....。




紺色の箱を握り締めて、本日二度目の大号泣。



本当なら嬉しいはずなのに、なんなんだろう..。



私の決心とか、いろんなモノが崩れてく。