赤ずきんを被ったその子は

「やっぱり、ライは赤が似合うね」

ライゼと言う名の、 可愛らしい顔をした男の子。

「母さん、いい加減やめてよ」

彼はいつも、女装をさせられていた。

「僕は男なんだよ!」

「でも母さんは女の子が欲しかったんだもの。ほら、この籠を持って」

「スカートなんか嫌だってば」

籠の中に入っているアップルパイについ気を止めながらも、彼は必死に訴える。それはとても 可愛らしい表情で。

「仕方ないわね。 スカートだけなら履き替えていいわよ」

けれどやっぱり、履き替えたズボンも、可愛らしい物。